2013年5月5日日曜日

背骨とからだのはなし(3)

運動不足病(hypokinetic disease)は先進国の現代病です。
「動かなすぎ」のことです。

昭和24年(1949)にイギリスで興味深い研究が行われました。
当時ロンドンでは2階建てのバスが走ってましたが、そのバスの運転手と車掌とでは
狭心症や心筋梗塞などといった虚血性心疾患にかかる率に差があることがわかりました。
その説明は、運転手は座ったままだが車掌は1階と2階の間を昇り降りして体を動かして
いるからというものです。

また同じような研究がアメリカ・ロスの港湾で働く労働者と事務職を対象として
行われ、事務職の方が虚血性心疾患が多いという結果だったのです。
この2つの研究は、運動と疾患の関係を明らかにした先駆的な研究結果です。

当時の日本は戦後復興の中、多くは肉体労働従事者でしたが
現在は精神労働の割合が増え、体を動かす習慣が激減しています。
また、身体フィットネスレベルが低い者は虚血性心疾患だけに限らず
潰瘍・糖尿病・高血圧なども含んでいてさらに情緒が不安定に陥るという
報告もあります。

運動不足病は肉体面のみならず精神面にも影響を及ぼしてる。
これは由々しき事態です。

スポーツをする。楽しくする。これが大事です。


0 件のコメント:

コメントを投稿